好きで、言えなくて。でも、好きで。
「ちょっと待って下さい。この裏路地、確か反対側にも監視カメラが……ありました。写っています!しかし、時間が…」


「2時間も前じゃないか。」



大型バイクが裏路地に入ったのは、出ていった時間の2時間前。



「住人ということも考えられるだろ。ナンバー照会出来るか?」


「はい、こっちの画像ならなんとか……」



入口付近よりは、まだ鮮明だった。



「出ました。……これは…!」


「出かした、早乙女!」



ナンバー照会の結果、バイクの持ち主は椒鰲だった。



「これで、Nシステムで追えますね!」


「あ、いえ……。バイクは、Nシステムでは……」



「え?」



ガッツポーズをして嬉しそうに話す早乙女に、捜査員は凄く言いにくそうだ。



「Nシステムでは追えん。二輪のバイクは、四輪の車と違ってナンバープレートが後ろにしかない。Nシステムが対応しているのは、前からだけだ。」


「そんな……」



言葉は知っていた早乙女も、実状までは把握出来ていなかったようだ。



「道路上の監視カメラを当たるしかないですね。」



しかしそれは、膨大な量だった。
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