好きで、言えなくて。でも、好きで。
「落ち着いたか?」
暫くして泣き止んだ威叉奈。
帰る気はもうないのか椅子に座っているが、俯いたままで表情が見えなく棟郷はとりあえず尋ねてみる。
しかし、威叉奈は無言で、こくりと頷くだけ。
「そうか……。ならいい…。」
泣いてる時もどうすればいいか分からなかったが、泣き止んでもどうすればいいか分からない。
態度や言葉で示してくれなければ分からない、自分の疎さがもどかしい。
「……………………。」
棟郷が色々思考を巡らせている中、威叉奈は顔をあげることが出来ないでいた。
両親がいなくなってから、いや、いる頃から愛情に飢えていたことは自覚していた。
賭狗膳や苗込に対しても、一緒に住み始めた頃は遠慮というか信じることが出来なくて。
それが変わったのは、賭狗膳と苗込の気持ちがすれ違っていると何となく気付いた辺りか。
離婚を切り出されて、家族だと自分で口にした時、初めて愛情というものが存在すると信じられた気がした。
暫くして泣き止んだ威叉奈。
帰る気はもうないのか椅子に座っているが、俯いたままで表情が見えなく棟郷はとりあえず尋ねてみる。
しかし、威叉奈は無言で、こくりと頷くだけ。
「そうか……。ならいい…。」
泣いてる時もどうすればいいか分からなかったが、泣き止んでもどうすればいいか分からない。
態度や言葉で示してくれなければ分からない、自分の疎さがもどかしい。
「……………………。」
棟郷が色々思考を巡らせている中、威叉奈は顔をあげることが出来ないでいた。
両親がいなくなってから、いや、いる頃から愛情に飢えていたことは自覚していた。
賭狗膳や苗込に対しても、一緒に住み始めた頃は遠慮というか信じることが出来なくて。
それが変わったのは、賭狗膳と苗込の気持ちがすれ違っていると何となく気付いた辺りか。
離婚を切り出されて、家族だと自分で口にした時、初めて愛情というものが存在すると信じられた気がした。