好きで、言えなくて。でも、好きで。
「あいつ、どこ行ったんだ?闇ルート潰すって張り切ってたのによ。」



闇ルートを軽く調べたところ、根は深く入り組んではいるものの、大元はかなりの組織のようで、威叉奈は捜査に燃えていた。



「賭狗膳。」


「棟郷!復帰そうそう何だよ。こっちはお前のせいで、減給くらったんだぞ。」


「賭狗膳さん、八つ当たりはみっともないです!」



怒りの度合いが子供染みている、と早乙女は呆れる。



「否定はせん。…話がある、ちょっと出れるか?」



賭狗膳の嫌味にも乗らず、賭狗膳を外に誘った。



「なんだ、話って。こんなとこにまで、連れてきやがって。」



外って言ったのに、警視庁内じゃねーかよ。



と、文句タラタラな賭狗膳がついた場所は屋上。

人が寄り付かないここは、棟郷のお気に入りらしい。



「今日、秩浦椒鰲が送検される。殺人未遂と監禁罪でな。」


「そうか。」



凶悪事案の為、担当は一課だった。



「それで、秩浦椒鰲の身柄が地検に行く前に、吹蜂が会いたいと言うから、時間作って今会っている。」
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