好きで、言えなくて。でも、好きで。
「威叉奈…」
「よう。」
護送される途中の廊下に、威叉奈がいた。
「なんでここ」
ペチッ―――……
軽い音が響き、椒鰲の言葉は遮られた。
「本当は殴りてぇけど、そうしちまうと、大事な人が勝手に責任とっちまうからな。」
棟郷の思いに、威叉奈は気付いていた。
「今回お前のしたことは、法律で裁かれる。俺が判断することじゃねぇ。けどな、無関係の人間巻き込むな。昔っから言ってんだろ。」
駁兜に入った直後から、椒鰲はかなり見境なく暴れていた。
総長や威叉奈は注意していたが、一度スイッチが入った椒鰲は歯止めが効かなかったらしい。
その度に、威叉奈が止めていた。
「威叉奈………俺はっ!」
「悪ぃ。俺はお前のことは族連中の一人としか思ったことがねぇ。昔も今もな。それに、俺には好きな人がいる。その人も好きだと言ってくれた。だから、お前の想いには答えられない。」
すみません、もう大丈夫です。と威叉奈は付き添いの警官に言ってその場を去った。
威叉奈から言われた言葉と表情が堪えたのか、その後の椒鰲は見る影もない程大人しかったという。
「よう。」
護送される途中の廊下に、威叉奈がいた。
「なんでここ」
ペチッ―――……
軽い音が響き、椒鰲の言葉は遮られた。
「本当は殴りてぇけど、そうしちまうと、大事な人が勝手に責任とっちまうからな。」
棟郷の思いに、威叉奈は気付いていた。
「今回お前のしたことは、法律で裁かれる。俺が判断することじゃねぇ。けどな、無関係の人間巻き込むな。昔っから言ってんだろ。」
駁兜に入った直後から、椒鰲はかなり見境なく暴れていた。
総長や威叉奈は注意していたが、一度スイッチが入った椒鰲は歯止めが効かなかったらしい。
その度に、威叉奈が止めていた。
「威叉奈………俺はっ!」
「悪ぃ。俺はお前のことは族連中の一人としか思ったことがねぇ。昔も今もな。それに、俺には好きな人がいる。その人も好きだと言ってくれた。だから、お前の想いには答えられない。」
すみません、もう大丈夫です。と威叉奈は付き添いの警官に言ってその場を去った。
威叉奈から言われた言葉と表情が堪えたのか、その後の椒鰲は見る影もない程大人しかったという。