好きのカタチ
 「大丈夫スか?怪我は?」

たぶん、森川くん面目丸潰れだろうね。
 
「あぁ……うん。有難う。」
差しのべられた手を取ろうとせず一人で立ち上がり、砂をはらう。


「………よかった。…」
少し彼も複雑かもな。助けたのに。

「あっ……そっちの女の子は?」


女の子…………。


「あっうん。大丈夫。ありがとうね。」




「どういたしまして。」


彼は少しいたずらっ子のような笑顔で
そっけなく答えた。


「ねぇ?あなた、名前教えてくれません?」

私としたことが、なんて変な日本語。



「あぁ。俺スか?  俺は河上。河上章太
お前は?」

「…私は山下櫻子。」


「ふーん。じゃ、さくらな。」


まさかの突然の名前呼び


「そっちの君は?」


森川くんか……。

「……森川、零斗です」


「ふーん。零斗ね。よろしくな。」


「あっ…やっべっ委員会いかなきゃ。」


運動委員とかだろうな。あとは整美とかかな。

「じゃっ。またっ」
















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