好きのカタチ
 混乱した。一瞬。でも私ははっきりと話そうと思った。


「佐藤くんは元カレだよ………へへへ……フラれちゃった……」



必死に笑いながら、歯を食い縛りながら笑顔で話した。




「そっかぁ………知らなかったや」








河内くんが知るよしもないし、知らなくていいことだと思ってる。



というか、本当は知られなくなかった。
少し恥ずかしかったというのもある。





でも、だからこそ、だからこそ河内くんには言うべきだとも思った。
河内くんが私の事を友達でもいいから好きと言ってくれるなら私はそれでよかった。



でもきっと河内くんは私が好きだよって伝えても「そっか、ありがとう。」っていって終わっちゃうから。何もいえなかった。







「ねぇ、じゃあさ。俺と付き合おうよ」










「へ?…………」





河内くんが唐突に笑顔で振り返りそういった。




どうしちゃったの?
本気なのかな。また、嘘だよ。とか言う気がする。私は嬉しい、反面怖かった。




また捨てられる。



また傷つく。



どうせ、また…………





どうせ…………



「河内くん、嘘でしょ?またからかってるんだよね?」





「本気だよ。」




河内くんの癖の多い髪の毛が私の首筋にあたる。
そっと肩に手をのせると


「本気だよ。」


しっかりといってくれた。




また捨てられるのか。
でも、河内くんは本気だと言ってくれた。



「河内くん…………私…」





「山下ァッッッッッッ‼」




「佐藤…………くん?」







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