モモとウメと君と
────あの日を思い出す。
きっかけは、私が踏んだホース。
目つきの悪い橘くん……じゃなかった、
目つきの悪い弘也だけど、ほんとはすごく優しくて。
弘也のヒミツを知ったあの日。
弘也は花が好きだと、知ったあの日。
でもある日突然、私以外にも弘也のヒミツを知っている子が現れて。
席替えをして。
離れ離れになり、絶望したこともあった。
だけど。
だけどやっぱり、弘也が好きっていう気持ちは止められなくて。
愛目ちゃんを裏切ることになるかもしれないけど、やっぱり弘也が好き。
キミが、好き。
────2人の頬は、
モモイロに染まっていた。