青い春の真ん中で
冬になると赤くなる有輝の頬っぺたが可愛かった。

本人に言うと、気にしちゃうから言わなかった。

帰り道に有輝が突然キスをしてきた時は驚いて、しばらく動けなかったっけ。

寒い1月の夜。

冷たい唇が私の唇に触れた。
柔らかくてビックリしたのと、その後リップ塗ってて良かったって思ったことは未だに内緒。

「どうして?」

キスをされた驚きでつい尋ねた私。

照れ臭そうに、

「誕生日プレゼント…今日、俺誕生日」

そう言って抱きしめられて私の方が幸せをもらった日。


1年の9月に付き合い始めてから9ヶ月。

2年のクラス替えで1組と8組に分かれてしまい、普段顔を合わすことがあまりなくなった。


最近、やたらと用事があるとか言って…一緒に帰ってくれなくなってた…



同じクラスに好きな子できてたんだ。


たった7クラス分の距離を乗り越えられない私達だもん、遅かれ早かれ…別れてただろうなって頭ではそう思う。けど…


心はまだまだ有輝を解放できずにいた。




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