青い春の真ん中で
「おい、どこ行ったかと思ったら…」


後ろから友達らしき人が声をかけてきた。

「って、瀬戸くん?」

「え?なんで晴翔?」


私と、沙由奈の声が重なった。


「こいつ、俺のいとこ!」


健斗くんを指差して笑った。



「いきなり俺のこと置いて走ってっちゃって…」


健斗くんが瀬戸くんに向かって、


「だって、見失ったらもう会えないかもって思ったから」


必死になる健斗くんを見て瀬戸くんが笑い出す。


「いや、その前に...俺と同じ高校じゃん?俺に言えよ」

「まじか...」


健斗くんは同じ高校の制服を着ていることに、今初めて気づいた様子で顔が赤くなっていく。


瀬戸くんは健斗くんの肩にポンッと手を置いた。


「健斗...しかも、同じクラス」


健斗くんが固まった。

私達も笑いをこらえきれず、ついに笑い出してしまった。


< 100 / 163 >

この作品をシェア

pagetop