青い春の真ん中で
「サッカーのスパイク選ぶの一緒に来いって健斗に言われて来たんだよ」


ここには大きなスポーツ用品店がある。


「それなのに、駅から出てしばらくしたら急に走り出してさ…」


いとこ同士なんだ。


童顔な健斗くん。瀬戸くんの方が背も高いし大人びてる。


でも、イケメンっていう共通点は…すごいわ。


2人を見比べながら、うんうん頷いた。


「何?」

健斗くんが眉をひそめて見ていた。


「え?いや、なんでもない…よ?」


とぼけて見せた。


「あっれぇ。もしかしてぇ、歩成ちゃん?」


「……え?」


この人の口から出た自分の名前が他の人のもののような気がして、状況がうまく飲み込めなかった。


「はっ?お前何言ってんの?」


瀬戸くんが健斗くんの口を塞いだ。


「何…なになになに?」


沙由奈と真紗希がニヤニヤして瀬戸くんに近寄る。


「それより、健斗のことだろ?」

瀬戸くんが話を戻した。
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