青い春の真ん中で
「あ、ごめん。行く行く」


瀬戸くんは女の子に優しく微笑む。


「じゃあ、一緒に行こう?」


上目使い。

ツヤツヤの髪。

笑顔が爽やかな、女子の中の女子。

キング・オブ・女子!


「じゃあ」


二人が自然な感じで後ろを向いて、歩き出した。


瀬戸くんと女の子の後ろ姿。


お似合い…だな。


「あの子、サッカー部のマネージャーの原岡美織(みおり)だよね」

「いつも晴翔にくっついてるよね…」


そうなのかぁ…瀬戸くんのこと好きなのかなぁ。


二人の後ろ姿をぼんやり見つめた。


「で、どうなの?歩成は」


沙由奈がグッと近づいてきた。


「え?何が…」


沙由奈は大きなため息をついた。そして…

ドンッ


か、壁ドン?

これが噂の壁ドン…


「最近、晴翔といい感じじゃん。どうなの?好きなの?」


目が泳ぐ…沙由奈と目を合わせられない。

「いや、そんなことないし?」

好きなの…?わからないよ。
この気持ちは何なのかが、自分にもわからない。



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