青い春の真ん中で
屋上に上がって日陰に座り込む私に向かって、投げかけられる言葉。


「ねぇ、あんなとこにキノコ生えてるよ」


「大きなキノコね…」


「狩って食べちゃおうか」


………


「私で遊ぶなぁ」

そう叫んで顔を上げて。

沙由奈と真紗希がふざける後ろから芽衣が心配そうにのぞき込む。



「歩成ちゃん、これでも飲んで落ち着いて」


りんごジュース…

ストローまでさして渡してくれた。


「ううっ…芽衣…」


そっと渡してくれたのはフワフワのタオル。

心が解ける。


「歩成、何があったの?」


「大丈夫じゃないならちゃんと言いなよ、何のための私達なんだよ」


さっきのテンションとは打って変わって、真面目な顔した沙由奈と真紗希も座り込んだ。


「ご、ごめ…」


顔にタオルを押し当ててまた涙。
< 119 / 163 >

この作品をシェア

pagetop