青い春の真ん中で
「あ、ごめん。後にして…」

え?

顔を上げると、瀬戸くんが美織ちゃんに向かって軽く手を挙げている。


「で、何?歩成ちゃん」


こっちに向き直った瀬戸くんと目が合った。


瀬戸くんの顔を見るの久しぶりだ…


「あの…ね、話したいことがあってね…今日、時間ある?いつでもいいから」


顔赤くなってるよね…
話し方もぎこちないよね。

変に思ってないかな。

ちゃんと喋れてるかな…


私、瀬戸くんと話す時こんなに緊張してたかな。


「うん、わかった。じゃあ、昼休みに…屋上で」


瀬戸くんはふざけることもなく真顔で答えてくれた。


このドキドキ…が、お昼休みまでか。

倒れそう…


明日から夏休みに入るのもあって、みんなもう夏休みモード。

陽気な雰囲気の中、私はカチンコチンになっている。


美織ちゃんの用事は何だったんだろう…

2人の関係は…


私は今日どこまで話せばいいのかな。

告白…することになるんだよね。


ああ…ヤバい。
またトイレ行きたくなりそう。




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