青い春の真ん中で
夏休み目前の今。

太陽もギラギラと照りつけてくる。

日陰に入って、何度も深呼吸…


ガチャッ


屋上のドアが開いた。


うわぁ、来た。

緊張が一気に走って振り返るとそこにいたのは…



「え?なんで?」


有輝…?


「歩成が屋上に上がってくの見えて…話したいことがあるんだ」

久しぶりに近くで見る有輝。


なんでこのタイミング?

私は、呆然と立ち尽くした。


「今じゃないとダメなの?私、今からちょっと…」


慌てる私のことなんか気にもとめず、有輝は話し始めてしまった。



「俺、他に気になる子がいるって言ってたじゃん。その子と付き合ったの知ってるよね?それがさ…」


え?知らないけど…

知ってること前提で話を進めていく有輝。

「付き合ってみたらなんか思ってたのと違っててさ。キツイしワガママだし…なんか、幻滅したというか…」

あ、そうですか…

心の中で返事する。

有輝ってこんなだったっけ?

気持ち入ってないとこんなに受け取り方が違ってくるのかな。


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