青い春の真ん中で
「歩成の方が楽で良かったなって思ったんだよね。でさ、俺たちより戻さない?」


って、軽いなっ!

髪の毛を指先でチョロチョロと触る仕草…

これ、嫌いだったわ。


「いや、あのさ…」

私も、黙ってなんかいられませんよ。

強気に出ようとする私の言葉を平気で遮ってきた。


「歩成がさ、この前3組でブチ切れて以来、有名になってさ。しかも最近なんか可愛いくなってさ…垢抜けた感じ?今の歩成とならまた付き合いたいなぁって思って」


今の歩成?
じゃあ、前の私はダメってことかい?

おいおい…失礼な奴だな、ほんとに。

なぜか上から目線な有輝を見ながら、有輝がどういう風に私を見ていたのか…
冷静な今、よくわかってしまった。


「俺たち上手くいってたじゃん?最近別れた女、キスもダメとか言って。もう高2だよ?俺ら。不健全だろ?逆に」

残念な男…

前から無神経なとこあったけど、酷くなってるような…

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