青い春の真ん中で
瀬戸くんの姿がだんだんと滲んでいく。

「嬉しいことばっかり…瀬戸くんがくれる言葉は。今、すごくすごく幸せだなって思っちゃって…」


涙が出ちゃう。

幸せで涙が出るよ…


「瀬戸くんはもう卒業」


瀬戸くんが照れ臭そうに私を見る。


優しい風が吹く。


私の髪を優しく揺らして、瀬戸くんの髪もふわっと揺れた。


浮かんでくるスカートの裾を手でそっと押さえた。


「晴翔…?」


目が合う。

晴翔の瞳がキラキラして綺麗。


あ…この雰囲気。

もしかして…


違ってたらどうしよ…
でも、これはそうだよね。


えっと…えっと…


頭の中であれこれ考えてるうちに、晴翔の顔が近づいてきた。


瞳を閉じて身をまかせることにした。


大好きで…大好きで、こんなに好きになれる人がいたなんて。

晴翔のことを、大切にしたい。

この奇跡を、大切にしていきたいと、強く思った。

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