青い春の真ん中で
「ああ、夏休みだというのにね」

「本当だよ。どうして、制服着てるのかしらね」


遠い目の私と芽衣。



夏休みが始まったと思いきや、うちの学校は夏休みの最初の週に強制的に補習授業をするのだ。


だからいつも通りの朝。


だけど、ちょっと違う。それは...


「歩成、おはよ」


隣の席の瀬戸くんが、彼氏になったということ。


「あれ、今日は早いね」


いつもなら友達としゃべっててぎりぎりまで入ってこないのに。


「うん」


ほおづえをついてこっちを見てる。


「友達のとこ行かないの?」

なんだか不自然でしょ、さすがに。


「うん、行かない。歩成のこと見てたいから」


...おーい、ここ学校ですよ。


周りの視線が突き刺さる。




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