青い春の真ん中で
防波堤近くの公園で待ち合わせた。

好きな人を待つ時間がこんなに楽しい時間だなんて。

晴翔の顔を思い浮かべながら、一人にやける。


「歩成?」

ベンチに座る私の後ろから、晴翔の声がした。


「あ、晴翔!お疲れ様」


振り向くと、晴翔が少し驚いた顔をしてる。


「どうしたの?」


なんか変?
顔に何かついてる?



「いや、髪の毛おろすと雰囲気変わるなぁって思って」


部活帰りの晴翔はいつもの晴翔でホッとする。


「そう?」


自分ではわからないけど。


私の隣に座る晴翔の顔が赤い。


「やばい、俺...なんかドキドキしてる。歩成、めちゃくちゃかわいい」


内心めちゃくちゃうれしいんだけど。

この服選ぶのに1時間もかかったし、髪の毛も念入りにブローして妹のいい匂いのヘアスプレーも拝借して使っちゃったし。


「晴翔に...会いたかった。夏休みなんかなかったらいいのにって思っちゃったけど、こんな風に会えるなら夏休みもいいね」


素直な気持ち、晴翔には伝えたい。


晴翔のこと知りたいのはもちろんなんだけど、私のこともいっぱい知ってほしい。
そんな風に思うんだよ、晴翔といると。

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