青い春の真ん中で
「みんな外泊大丈夫だった?」


健斗くんが尋ねる。


外泊...そう、いきなりの1泊なのだ。


「うちは歩成ちゃんが一緒なら全然オッケーだったよ?」


芽衣のお母さんになぜだか絶大なる信用を持たれている。


「私んとこも、行ってこい行ってこいって感じだった。今までこういうことなかったから、むしろ喜んでる」


私があっけらかんと言うと、


「いいなぁ、うちは昨日の夜までずっと反対されてたよ...でも、歩成が説得してくれて、ね?」


沙由奈が話すと、


「え?意外」

と、みんな。


「どういう意味?」

沙由奈がすねる。


「箱入り娘なんだよ、沙由奈」

沙由奈は男4人の兄を持つ末っ子。

最後にやっとできた女の子として、家では家族みんなに大事にされているお姫様なのだ。


「『私がしっかりお守りします、大丈夫です!』って朝早く歩成が来て説得してくれたの。男前でしょ?」


沙由奈が笑いながら腕を組んできた。


「やるじゃん、歩成」


晴翔が笑顔で褒めてくれた。



「今日、真紗希も来れたらよかったのにね。ドイツだから仕方ないか」


残念がる私に、


「次は真紗希ちゃんの来れる日にまた計画立てよ?」

と晴翔が言った。


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