青い春の真ん中で
私たち電車班は1時間半かけて目的地へ向かう。


着いたところは、海。

海と言っても、ここはこのあたりでは1番の人気のビーチでたくさんの人でにぎわっている。


「あ、兄貴だ」


手を振ると、振りかえす男の人とその隣には美織ちゃん。


急ぎ足で二人に近づくと、お兄さんはキョロキョロと見渡して私を見た。


「あ、もしかして歩成ちゃん?」


驚きの顔を隠せない私。


「晴翔から話聞いて想像してたらすごい当てはまる子がいたから」


え?そんな一目でわかるって...


「どんなこと言ったのよ?」


目を細めて晴翔を見ると、


「兄貴!余計なこと言うなって」

晴翔がむきになった。


「怪しい」

じっと見ると、


「晴翔が好きそうな子だわ」

と、お兄さんが笑った。


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