青い春の真ん中で
見知らぬ同士が月明かりの下、防波堤を無言で歩く。


海の前の道を渡ると小さな公園がある。

そこのベンチに腰掛けた。


何を話そう…

街灯の下で初めて女の人の顔がわかった。

よく見ると同じ年くらいかな…


「本当にごめんなさい…」

顔の前にずっと手を当てて目元しか見えないけど…


長いまつ毛が涙でキラキラ光ってる。


私も泣き腫らした顔を初対面の人に見られるのに気がひけてうつむき加減。


「私は全然大丈夫…なんだけど。あなたは…大丈夫?」


声も体も震えてしまう。

女の子の手も少し震えてるようだった。



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