青い春の真ん中で
高2の春と夏の真ん中で。

私、椎名歩成(あゆな)は絶賛失恋中。


子どもの頃から、

「何怒ってるの?」

と、いつも友達に聞かれ、写真を撮る時はママに、


「笑って?歩成ちゃん、笑って?…歩成!笑いなさい!」

と、笑っているつもりがいつも仏頂面。


「真剣さが伝わらない」

と、中学の時のテニス部の顧問にも注意される始末。

器用に立ち回る人に、おいしいところをかっさらわれることも多々あり。


ついには、

「気移りした俺も悪いけど。お前の気持ちがわかんねぇんだよ。俺といてもつまんなそうで…俺のことどう思ってんのか伝わってこねぇし」

と、彼氏に振られてしまった。


感情が表に出にくいのか、平気じゃないのに平気そうに思われて、反省してても頑張っても…

伝わりにくい。

最近、人から見ると自分がそう映るんだってこと少しわかりかけてきた。


でも、だからって…だからって!

「バカヤロー‼︎」

声の限り叫んだ。


まるで感情がないかのように、人のことを好き勝手言っちゃって…

防波堤から海に向かって叫んだ私こそが1番青春してそうだというのに。


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