青い春の真ん中で
「何その顔?うちら友達じゃん?」

肩に置いた手に力を込めて浅中さんを睨みつける沙由奈の顔…

付けまつげがバッサバッサと揺れて濃いノーズシャドウも不自然すぎて怖い。


私は自分のクラスでこんな事が起こっていることを知らなかった。
それは、この時間いつも有輝と渡り廊下や非常階段で過ごしていたから。

教室にいなかったんだ。


不自然なほどの化粧の濃い沙由奈と目が合った。


嫌な予感がした。

「あれ?あんたさ、有輝と別れたよね?有輝、違う女と一緒にいたけどぉ。最近学校にいなかったよね。もしかしてぇ、それで休んでた?」


興味の対象がこっちに移ったらしく、沙由奈が笑いながら近づいてくる。

長い髪を指に絡めながら…


本当にこんな人いるんだ…意地悪を絵に描いたような人。

近づくとその顔は迫力満点。

沙由奈の迫力に押されながらも、その違う女…という言葉に傷ついている自分が悔しい。
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