青い春の真ん中で
2時間ほど前から元彼になった有輝(ゆうき)は、私にとって初めての彼氏だった。


無愛想で不器用な私と付き合うなんて…


「え⁉︎…私と?誰かと間違えてない?」


有輝から告白された時の、私の第一声がこれだった。


自転車置き場で緊張した表情で告白してくれたっけ。


女の子らしさもあまりない、淡々とした表現力の乏しい私のことを、


「変に媚びてないところがいいんだよ」

とか、言ってたくせに。


「俺には歩成の良さがちゃんとわかってるよ。好きだよ」


有輝がくれた言葉ひとつひとつを私は心の中の宝箱に大切にしまってある。


それなのに・・・


私を幸せにしてくれる言葉をたくさんくれた同じ口から傷つける言葉を生む有輝は残酷だよ。

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