青い春の真ん中で
「やめて!」


芽衣が横から止めに入るけど、この怪力女の力は華奢な芽衣では太刀打ちできない。


「芽衣、あんたが裏切ったりするからこうなるんだよ。あんたが悪いんだから」


芽衣は泣いて、顔も真っ赤で…
突き飛ばされた時についた肘からは血が出てる。


「芽衣は…悪くないでしょ」

ボソッと私が言うと、肩を掴む力が倍ぐらいになった。


「何も知らないくせに!」


私の体が傾いた。


防波堤から海へと落ちていく中で、泣き顔の芽衣が私に向かって手を伸ばした。


バジャーン‼︎



背中に衝撃がくる。


海へと落ちた私の腕を掴む手。


やだ…芽衣まで落ちてるし…



「ちょ、ちょっと!沙由奈。さすがにヤバいって…」


真紗希の声がして、バタバタと足音が遠のいていった。



水面から顔を出して、芽衣と目が合った。


「ていうか…浅瀬じゃんね」


頷く芽衣。


「ぷっくく…あはは…」


ここまで来ると本当に笑いしか出て来なかった。


「あー、ちょっともうどうすんの?」

「パンツもビショビショだよ」


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