青い春の真ん中で
こんな風になるぐらいなら…

最初から付き合うなんて言わないでよ。

好きなんて言わないでよ。


「夏祭り2人で浴衣とかいいよな」


って、有輝が言ったから、すごく楽しみにしてたのに。

「浴衣買っちゃったんだよ!バカヤロー!」


海に向かって乱暴に投げた言葉も虚しく波音に掻き消されてく。



辛い…

怖い…


1人になるのが怖い…

有輝ともう今までみたいに過ごせないことが、怖かった。


うずくまって膝を抱えた。


私、ちゃんと好きだったよ…有輝のこと。

どうして届かなかったんだろう。


どうしてわかってもらえなかったんだろう。


有輝の心に他の誰かがいるなんて信じたくない。


どうして?なんで?ってそればかり出てくるよ。

どこに持っていけばいいのかわからないこの気持ち…

私の気持ちが死んでしまう。



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