青い春の真ん中で
ケータイの画面を見た。

『芽衣ちゃん、写メ見たけど超可愛いね。今度遊ぼうよ〜もちろんホテル代は俺が払うし』


「な、何?これ…」


目を丸くする私に、芽衣は慌てて首を振った。


「私、本当に身に覚えがないの。あ、歩成ちゃんだから言うけど本当に処女だから!」


「え?あ、うん…」


芽衣の勢いに押されて仰け反った。


「子どもみたいだよね、歩成ちゃん彼氏いたから…」


経験済みでしょ?的な感じ?


「あ、あのさ。私も、処女だから。有輝とは…やってない。キス止まり」


真剣な瞳で信じて…と訴えかける。

何でこんな話になってんだ?


「え?」

驚く芽衣の顔。


「だよね、うん。そういう雰囲気になることはあったけど私には刺激が強すぎて」


結婚までそういうのはNGとか、そこまでは言わないけど。

私には、まだ想像できない世界。

「そうなんだ…」

意外そうな、芽衣に私は誰にも話したことがないことを話した。


「うん。怖かった…気持ちが追いつかなかった。有輝を受け入れられなかった。だから有輝のことを怖いって思ってしまったんだよね。それから、私達は…少しずつ…変わってしまったのかも…」


あれから何度も頭の中でよぎる思い…

あの時拒まなかったら良かった?


「でも…それで良かったんじゃないかな。同じペースで歩ける人、きっと他にいると思う…大切にしてくれる人、絶対いると思う」


心の声に返事するかのように芽衣が呟く。
< 43 / 163 >

この作品をシェア

pagetop