青い春の真ん中で
気まずさに目を背けると、

「昨日...」

と、話しかけた瀬戸くんの言葉が止まる。

昨日のこと、何か聞かれたら…

どう答えたらいいの。

本当のことなんて言えないよ。

戸惑う私。

「海に飛び込みたくなるほど、暑かった?」

笑っている。

瀬戸くんは気づいているのかな。

それとも本当に気づいてない?


「べ、別に...」

口をとがらせて瀬戸くんを見た。



「あの...さ、沙由奈って前からあんな感じの子だったっけ?」


瀬戸くんと沙由奈が話してるとこ何度か見た。

沙由奈が芽衣に嫌がらせをする時は...そういえば瀬戸くんいつもいない。


「沙由奈?まあ、中学の時から派手な感じだったけど。好きな奴ができて一時期大人しくなってなんかイメチェンしたのかなって思った時あったけど。でも、また元に戻った?より派手になったていうか」


好きな人...嫉妬...


なんか気になるな。


「好きな人って...?聞いてもいい?」

瀬戸くんの顔が赤らむ。


え?なんで...?


「あ!違うの。沙由奈の好きな人っていう意味!」


慌てて焦る私を見て瀬戸くんは大笑い。

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