青い春の真ん中で
「うん、だよね。あはは」


「ぷっ。あはは」

笑う瀬戸くんにつられて私も思わず笑った。


「そんな風にもっと笑えばいいのに」

その言葉に思わずうつむいた。


顔が熱い。
私めったに感情が表に出ないんだけど。


人の好きな人なんて聞くのいけないことだよね...

でも、芽衣が傷つくとこもう見たくないんだよ。


もう、終わらせなくちゃ。


「そこに、解決できる糸口があるような気がして。友達を助けたいの」



瀬戸くんを見ると窓の外を見ながら考えてるみたいだった。


しばらくして静かな声で話し始めた。

「緑井湘真(しょうま)。同じサッカー部なんだけどさ。すげぇいい奴で、優しいしまっすぐでさ。俺が女子でも湘真好きになると思う...ぐらい。そんな湘真の好きな子が、浅中芽衣ちゃんだったんだよ。沙由奈に湘真のこと聞かれたことあって。その時は友達に湘真のこと好きな子がいるって言ってたけど...」


「けど?」


口ごもる瀬戸くんに尋ねた。


「今思うと、たぶん沙由奈が湘真のこと好きだったんだと思う。その後、すごいへこんでたし」


そこに理由があったんだ。

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