青い春の真ん中で
防波堤に座り続ける私を置いて、太陽はいつものように沈んでいく。

散歩中の犬に突然しがみつかれたり…カップルが来てイチャイチャし始めたり。


さらに心をへし折られた私はトボトボと家に向かって歩いた。


その帰り道にさえ有輝との記憶が染み付いていて、泣けた。


家の玄関のドアを開けるのに、いつもは片手で済むところが、今日は両手で持って引っ張って開けた。


魂が抜けるってこういうことなのか。

私は玄関に座り込んで思った。


靴も脱ぎたくない…

このまま土足で階段を駆け上がってしまいたい…

小さなやけを起こしたくなる、小さな私。


でも、ちゃんと靴は抜いで階段をゆっくり上がる…小さな私……


自分が嫌になりそう。
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