青い春の真ん中で
すると、緑井くんがこっちを見た。

あ、目が合ってる?

笑って近寄ってきた。


「浅中さん。なんか久しぶりだよね。1組だっけ?」


話しかけてきた...!

この人は芽衣のことまだ好きなのかな。


「うん。えっと...緑井くんは何組だっけ?」


芽衣...それは残酷。


がっかりするでもなく、緑井くんはにこやかに話す。

「俺は8組だよ。1組と8組じゃそう会わないよな」


ズキン...

1組と8組の距離を乗り越えられなかった私。



「歩成ちゃんだっけ?」

緑井くんの視線が私に向けられている。


まさか有輝のこと…何か言われるのかな。

傷えぐらないで…警戒して目をそらした。


「晴翔が面白い子がいるって最近よく話しててさ」


ん?晴翔?

瀬戸晴翔?


「え?」


驚いて緑井くんを見ると、彼はにこやかに、


「隣の席なんだよね?あいつのことよろしくね」

と、言った。

「はい...」

と、照れながら返事をする私。





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