青い春の真ん中で
「そう?」


芽衣は少し残念そう。


瀬戸くんなんて、私には雲の上の存在だよ...



「私、ちょっとトイレに行ってくるね」


芽衣が急いで教室を出た。


今日は1度も沙由奈を見てない。


瀬戸くんの隣の席にちょこんと座った。


なんか変に意識しちゃって私の動きが錆びたロボットみたい。


チャイムが鳴った。


芽衣が帰ってこない...



トイレ混んでる?


先生が来ても芽衣は帰ってこない。


真紗希が急いで席に着く。



嫌な予感...


真紗希の背中を見ながら不安が募ってくる。


と、その時、真紗希が振り向いた。

目が合う。


何かを訴えるような目。


え?何?


胸騒ぎが止まらない。


立ち上がった。



「どした?」

瀬戸くんの声に、


「芽衣が...」

それだけ答えて廊下へ走った。



「おい!椎名!」

先生が呼び止めたけれど見向きもせずにトイレへと走った。









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