青い春の真ん中で
沙由奈の後を追うでもなく、ドアの前で立ち尽くす真紗希の前に立つ。


「本当に友達じゃなかったんだ?」


冷ややかな目で真紗希を見た。


「ご、ごめん。ごめんなさい」


真紗希の目は真っ赤になって鼻の頭も赤い。


「謝る相手違うから。木田さん、もっと強くなりなよ。自分で決めて自分で動きなよ…芽衣のこと助けに行こうか迷って私に教えたんでしょ?」

真紗希の目から涙が溢れる。


廊下には人集りができていた。


「あのこだよ、さっき沙由奈にキレてたの」

「意外だよね。あんな風にキレたりするんだ…」


「あの沙由奈にあそこまで言える人なかなかいないよね」


ヒソヒソと噂する声。


冷静になるにつれ、冷や汗が…


人集りの中に…


「芽衣?」


涙でぐしゃぐしゃな芽衣とその隣に瀬戸くんが立っていた。

体の力が抜けていく。

「ああああ…どうしよう。やっちゃった…」


頭を抱えてしゃがみ込んだ。
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