青い春の真ん中で
「芽衣がぁ、可愛い過ぎるんだよぉ」


芽衣の頬っぺたをむぎゅうと両手で押さえた。


「そんなことない、全然。私、歩成ちゃんみたいになりたいよ」


は?なんで?


「いやいや、気使わないでいいよぉ」


バンバン芽衣の背中を叩くと、芽衣がむせた。


「ゴホッ…歩成ちゃんって…背高くて無駄な脂肪が無いし。目も猫みたいでミステリアスな感じで。大人っぽくて羨ましいって思う」

ミ、ミステリアス…?

よくわかんないけど、なんか…

「照れる…」


両手を頬っぺたにあてて恥ずかしがる私。

二人、目を合わせて笑い合う。


今日はなんだか色んな事がありすぎて、頭がフワフワする。

ていうか…

「これから私…どんな顔して学校に通えばいいのぉ」


頭を抱え込んで寝転がった。


「私は、歩成ちゃんのファンになったけどなぁ」


芽衣の無邪気に笑う顔。


私…こんな風に感情を出した事なかったかも。嬉しい時に嬉しい顔、できなかった。

キャラじゃないとか…私が『私の型』を作ってしまってたのかもしれない。









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