青い春の真ん中で
「いっぱい泣いたらお腹減ったね、パン食べよう」

満面の笑みで芽衣が振り向いた。


「食べよう、食べよう。もうお腹ぺこぺこ。って買ってくれたの真紗希だけど」


芽衣と私が笑うと真紗希は、


「じゃあ…」


と、立ち上がろうとした。


「え?一緒に食べないの?」


芽衣がキョトンとした顔で聞いた。


「だって…私なんかと…」


「もうそういうのなしで行かない?」


真紗希の言おうとすることは何となくわかった。でも…


「真紗希ちゃん、私はもう怖がったり誰かと気まずいとかそういうのは…嫌なの。できれば毎日笑って安心して…過ごしたい。平凡だけど、そんな当たり前の学校生活を送りたいの」


芽衣が望むもの、それは私の望むものなのかもしれない。


「芽衣…」


また涙ぐむ真紗希。


「よし、食べよう、食べよう」


青空の下、私達はパンにがっついた。


このパンこんなに美味しかったっけ…


目が会うたびに笑い合いながらパンを食べた。





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