青い春の真ん中で
「そうだね、自分のことって案外見えにくいのかも。特に内面なんて…」


「心を映す鏡があればいいのにね。時々、自分の気持ちわかんなくなる時があるよ」


有輝のことも…私は実際どう考えていたんだろう。

好きって何?

間違っているけど、沙由奈みたいに執念深く有輝を思い続けられるかって言われたら、私には無理だ。


恋って何だろう。

人によって違うのかな?
相手によっても違うのかなぁ…


友達だってどこからが友達?

親友と友達の境目は?


心なんて見えないし、契約を交わす訳じゃないし。

誰かが決めるのかなぁ。


ぼんやり考えていると、芽衣が優しい瞳をこっちに向けていた。


「歩成ちゃんとあの時、会えて良かった。こんなにも笑いながら過ごせる時がまたあるなんて…あの時は思いもしなかった。ありがとう。これからも…よろしくね」

なんだか照れ臭くて、嬉しくて。

ああ、こういう時もちょっとにやけちゃうもんなんだ。


「こちらこそ、よろしくね」


優しい風が吹いて、太陽は眩しいほど私達を照らしている。


笑い合う私達。
今日は…晴れ。


もしも明日が雨の日で涙がこぼれても、また晴れの日が来ると私は信じられる。






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