青い春の真ん中で
沙由奈に怯えながら過ごす日々が終わり、今や私が人々を怯えさせている…


「ってどうなの、これ?」


トイレに入るとみんな何故か譲ってくれ、廊下でぶつかると、

「すみません!」

と、走り去られ…


しまいには、

「歩成ってお兄ちゃんがめちゃくちゃヤンキーで、お父さんはパンチパーマってほんと?」

真紗希が笑いで震えながら聞いてきた。


「はい?」


ひきつる私に、

「まぁまぁ、ジュースでも飲んで」

芽衣が紙パックのりんごジュースにストローをさしてくれた。


「うちは妹しかいないし、父さんなんかビックリするぐらいのさら毛だわっ」

怒る私に真紗希は涙を流しながら笑ってる。


「何、その新事実。父さん、さら毛なの?あはは」


「ビックリするぐらいのね」

付け加えると、真紗希はお腹を抱えて泣きながら笑った。
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