青い春の真ん中で
声だけ聴いたらママの方が女子高生だ。


「歩成ちゃんのお母さん、若くて綺麗だね」


芽衣の言葉にママの心は弾み出して…


「ちょっと待ってて」

と階段を駆け下り、そしてまた駆け上がってドアからひょこっと顔を出した。


「これ、私のお気に入りなんだけど…食べて」

海外の高級チョコレートが出てきた。

いつも1人でこんないいもの食べてんのか。


「じゃあ、ごゆっくり」

満面の笑みでドアを閉めるママ。


「なんか…芽衣のおかげで高級チョコレート食べられるわ。ありがとう」

芽衣は慌てて、

「そんなつもりじゃないよ?本当のこと言っただけだから」

困った顔をしてる。


「冗談、冗談。食べよ?」

チョコレートの箱を開けていると…
< 77 / 163 >

この作品をシェア

pagetop