青い春の真ん中で
「なりたい自分になるための努力を惜しむ沙由奈ちゃんの気持ちわからない。私から見れば、背が高いし程良く筋肉質で。顔だってそんな濃い化粧もったいないよ。もともと美形な顔立ちなんだから」


芽衣がこんなに積極的に話すの初めて見た。

芽衣の目が輝いてて、本当にオシャレが好きなんだなぁって伝わってくる。


芽衣の過去を知ってより芽衣のことが大好きになった。



「沙由奈、私も失恋して最初は有輝の好きになった子のこと恨んで嫉妬した」


こういう時って何故か彼氏よりも、女を恨みたくなるんだよね…


「だけど、その気持ちを原動力にしても私はほとんど歩けなかったと思う。ここまで来られたのは、一緒に前を向いて歩いて来た芽衣がいたから」


芽衣が振り向いて少し照れくさそうにした。

沙由奈は地面を見つめながら、でも静かに耳を傾けている感じだった。


「人の心は変わることもある…それは私も沙由奈も痛いくらいわかってる事だけど。嫌な方にとは限らないじゃない?好きな人の気持ちも自分の気持ちも。そのためにはまず顔を上げて前を向くことが…大切だよね」




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