青い春の真ん中で
「もう、沙由奈にあんな事させたくない。芽衣にあんな顔させたくない」


真紗希が沙由奈に近づく。


「沙由奈ちゃん、私達はひとつのパズルで…今空いてる場所に、沙由奈ちゃんはぴったりのピースだと思う。だから…まずは学校でお昼ご飯を一緒に食べることから始めない？」


沙由奈がぷっと吹き出した。


「お人好しだね、本当に。私なんか…ほっとけばいいのに」


笑いながらも、沙由奈の瞳からは涙がこぼれそうになっている。


「もう…本当に、本当に…芽衣ごめんねっ。私、わかった。今の私は芽衣には敵わない…戦うべき相手でもなかったのに…嫉妬してたの。ただただ、うらやましかった」


両手で顔を覆って泣きじゃくる沙由奈を見ながら胸が苦しくなった。


強くいないといけないと思い込んで1人で抱え込んでいたのかもしれないな、この人は。

強さの意味を履き違えて、どんどん自分を追い詰めて。


「お昼ご飯から…始めてみようかな…」


泣き顔のまま少し笑って沙由奈は言った。
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