青い春の真ん中で
学校を休んでも状況が変わるわけじゃないことも、逃げてどうこうなるわけじゃないことも、頭ではわかってた。

だけど、心がどうしてもついてこない。


天井を見上げればそこがスクリーンのように次々と思い出が溢れ出す。


有輝に呼び出されて告白されたのは1年の時。

同じクラスだった有輝はクラスの中でも特別目立つわけじゃないけど、地味でもない男の子だった。


誠実そうというのがあの頃の印象。


断る理由もなかったし、一生懸命思いを伝えようとしている有輝がなんだか愛しい気持ちにもなって…有輝と付き合うことにした。


初めての彼氏だった。


告白された日の帰り道。


有輝は教室でいる時より少しだけお喋りだった。

有輝が自転車を片手で押して、私の手をそっと繋いだ時…男の子の手が私とは全く違うことを感じた。

大きくてゴツゴツしてて…私の手を優しく包み込んでくれた。
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