青い春の真ん中で
その時。


「あ、いた!」


声がした方へ4人が顔を向けると、そこにはこの辺りの高校の制服を着た男の子がいた。


うちの高校にはいなさそうなチャラい…いや、オシャレな男の子だ。


髪の毛も染めてるし、ピアスも?

背はそんなに高くないけど、顔はすごく…可愛いしかっこいい。

童顔だけど、整っている。


「え?」


真紗希や沙由奈の知り合いでもなさそう…


「さっき見かけて。すっげぇ可愛いなぁって思ったんだよね」


芽衣の方へスタスタと歩いて来る。


真紗希と沙由奈がパッと芽衣の前に立った。


「てか誰?」

疑いの目が男の子を突き刺す。


「あ…俺?俺はT高の2年で沢木健斗です」

ノリが軽い…



「一目惚れとか…いい加減と思うかもしれないけど。直感で…すごくいいなって思ったんだよね」


説得力が…全くないのはこの見た目のせい?


「悪いけど、そんなナンパに乗るようなタイプじゃないの、芽衣は!」


沙由奈の威嚇にもめげない彼、健斗くん。


「でも、こういう風に声かけないと出会えなかったわけだし…ナンパになっちゃうけど…うーん…」


自分で言いながら悩み始めちゃった。

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