*+゜先輩*+。
「…好きな人がいるって」
え…好きな人?
私は彼女がいるかいないかばかり考えていて、好きな人がいるって事は頭になくて考えてなかった。
「陽菜ぁ…」
砂穂が私の顔を覗き込んだ。
彩香は心配そうな顔をしてこっちを見ている。
鼻の先がツンってして涙が出そうだった。
しかし今ここで泣いたらきっと彩香は言わなければ良かったって責めると思う。
だから必死で我慢して
『…私ちょっとトイレ行ってくるね』
と言って教室を飛び出した。