赤いりんごの青い果実
「で、でも応援してくれてたじゃん
私はほんとに龍雅が好きだし…」
いつもと違う雰囲気を悟った仁摩さんが
言うけれど、
空気は変わらずずっと睨んだまま
倉庫の中にさえ入ってこない
「うちらもさ。朽木のこと、
好きなんだよね。
でも絵美が付き合ってるって言って
諦めてたんだけど…」
「嘘だって分かったなら、
もう遠慮はしないし、
嘘つくようなあんたとは
友達とも思えないよ」
「最低だよね。そんじゃ」
それだけ言うと、
扉を閉めてどこかへ行ってしまった