リンゴとハチミツ
第1話-RAIN MY HEART-
***
ある梅雨の夕方。
帰ろうとした林檎は傘を忘れた事に気付く。
そこに、傘を持った幼馴染の蜜が現れて…。
第1話-RAIN MY HEART-
「うっわ~・・・」
帰ろうと、下駄箱で靴を履き変えた所で雨に気付いた小牧 林檎は情けない声をあげていた。
しかも小雨とか可愛らしいモノでは無く、ガンガンな土砂降り。
「参ったなぁ・・・」
今は梅雨の真っ最中。
幾ら朝は天気が良くても、傘を持って来なかった自分のマヌケ具合さに本気でヘコむ。
いっその事、濡れて帰ろうかと考えながら暫く途方に暮れていた時、後ろから聞き覚えのある声が聞こえて来た。
「あれ?もしかして林檎?」
声に釣られて振り返ると幼なじみが心配そうにしていた。
「・・・蜜くん?」
-…声の主は林檎の幼なじみ・田村 蜜。
蜜とは家も隣同士、親同士仲良しという、典型的な幼なじみだ。
そして長年の林檎の片思いの相手でもある。
最も蜜には全く伝わってないが・・・。
「蜜くん~!傘・・・、忘れちゃったー!!」
どうにかしてくれと言わんばかりの林檎の声に、蜜は左手へ視線を送った。
左手には傘が一本。
梅雨時期というのも手伝って、常に部室のロッカーに入れていたのだ。
幸いにも(?)雨が降ったので部室まで傘を取りに足を運んだ帰りに、幼なじみが途方に暮れていたのだ。
「仕方ないなー。・・・入って行くか?」
やれやれ、と肩を竦めながら左手の傘を差し出す。
当然、林檎には願ったり叶ったりな申し出なので二つ返事で答える。
「ありがとうー!蜜くんは優しいなぁ~」
先程までの泣きそうな顔とは打って変わる満面の笑みで蜜に抱き着く。
「だーっ!!離れろって!!」
全く・・・とぼやきながら林檎の腕を払いながら、さっさと歩き出してしまう。
「蜜くんー!待ってー!!」
慌てて蜜の背中を追う林檎であった。
ある梅雨の夕方。
帰ろうとした林檎は傘を忘れた事に気付く。
そこに、傘を持った幼馴染の蜜が現れて…。
第1話-RAIN MY HEART-
「うっわ~・・・」
帰ろうと、下駄箱で靴を履き変えた所で雨に気付いた小牧 林檎は情けない声をあげていた。
しかも小雨とか可愛らしいモノでは無く、ガンガンな土砂降り。
「参ったなぁ・・・」
今は梅雨の真っ最中。
幾ら朝は天気が良くても、傘を持って来なかった自分のマヌケ具合さに本気でヘコむ。
いっその事、濡れて帰ろうかと考えながら暫く途方に暮れていた時、後ろから聞き覚えのある声が聞こえて来た。
「あれ?もしかして林檎?」
声に釣られて振り返ると幼なじみが心配そうにしていた。
「・・・蜜くん?」
-…声の主は林檎の幼なじみ・田村 蜜。
蜜とは家も隣同士、親同士仲良しという、典型的な幼なじみだ。
そして長年の林檎の片思いの相手でもある。
最も蜜には全く伝わってないが・・・。
「蜜くん~!傘・・・、忘れちゃったー!!」
どうにかしてくれと言わんばかりの林檎の声に、蜜は左手へ視線を送った。
左手には傘が一本。
梅雨時期というのも手伝って、常に部室のロッカーに入れていたのだ。
幸いにも(?)雨が降ったので部室まで傘を取りに足を運んだ帰りに、幼なじみが途方に暮れていたのだ。
「仕方ないなー。・・・入って行くか?」
やれやれ、と肩を竦めながら左手の傘を差し出す。
当然、林檎には願ったり叶ったりな申し出なので二つ返事で答える。
「ありがとうー!蜜くんは優しいなぁ~」
先程までの泣きそうな顔とは打って変わる満面の笑みで蜜に抱き着く。
「だーっ!!離れろって!!」
全く・・・とぼやきながら林檎の腕を払いながら、さっさと歩き出してしまう。
「蜜くんー!待ってー!!」
慌てて蜜の背中を追う林檎であった。