初恋
「…………………」
「……………………」
気まずい空気が流れる
先に口を開いたのは高瀬だった
「ありがとう、助かった」
「いや、」
聞きたいことは山ほどあるのに全然言葉にならない
女に興味なんてない
女はヤれれば良い
呪文の様に心の中で唱える
「じゃあ、」
「あ、送ってく」
「いいよ、彼女待ってるんじゃない?」
「え?あ~」
ここはホテル街
前に保健室で連れ込んでるのも見られてるし
そう、思われても仕方ない
でも、
「彼女なんていない」
勘違いはされたくない
でも、元々ネジ曲がった性格は曲がったままで
「彼女なんて作ったらいろんな女とヤれねぇじゃん
女なんて吐いて捨てるほどいるしな
って言うかお前も同じだろ?」
あ、しまった
高瀬の顔が歪む
傷付けた?
「………………そうだね、じゃあ、ね」
「あっ、」
高瀬は俺と目も合わせずに背中を向けた
やっぱり、その背中は拒絶
苛つく
女を傷つける事なんてなんでも無かったのに
追いかけようとしてる自分が
苛つく