初恋









ぎゅっと抱き締める





足らない





'好き'と言う感情がこんなにも恐いとは知らなかった





自分さえも知らなかった自分が出てくる







「中野くん、私も大好きだよ」




嬉しい




でも…………





言葉では満たされないほどの黒い感情







高瀬の初めてを奪った男に




高瀬を抱いた男たちに




告白してきた男にさえも




言い様のない嫉妬心






「中野くん、」





目が合った瞬間、色んなものが溢れた






「ん…………」





食いつくようなキスの合間に漏れる吐息が俺を熱くさせていく






欲しい







「高瀬……………俺を最後の男にさせて」






最初の男にはなれないけど





最後の男に







「中野くん、私も…………最後の女になりたい」








お互いが求めあって






もう、





高瀬しか見えない
















< 104 / 106 >

この作品をシェア

pagetop