初恋
ぎゅっと抱き締める
足らない
'好き'と言う感情がこんなにも恐いとは知らなかった
自分さえも知らなかった自分が出てくる
「中野くん、私も大好きだよ」
嬉しい
でも…………
言葉では満たされないほどの黒い感情
高瀬の初めてを奪った男に
高瀬を抱いた男たちに
告白してきた男にさえも
言い様のない嫉妬心
「中野くん、」
目が合った瞬間、色んなものが溢れた
「ん…………」
食いつくようなキスの合間に漏れる吐息が俺を熱くさせていく
欲しい
「高瀬……………俺を最後の男にさせて」
最初の男にはなれないけど
最後の男に
「中野くん、私も…………最後の女になりたい」
お互いが求めあって
もう、
高瀬しか見えない