初恋
偽物
「賢人~今日は私ね~」
同じ言葉を何度聞いただろうか
俺との関係を次の日にはみんなに嬉しそうに話をする女子
「保健室行こうぜ」
「やったぁ!行こう!」
ほんのり頬を赤く染める姿に可愛いなんて思えなくて
腕に絡んできた身体を離したくなった
「この時間って先生いつもいないよね~
こっちは助かるけど、ね?賢人………」
俺の身体に触れる手を掴む
'高瀬はお前の母親とは違う'
翔馬の言葉を思い出す
って言うかなんで、高瀬なんだよ
あんな、地味女
'お前も父親とは違う'
違わない
俺にはあの二人の血が流れてる
「気分じゃなくなった、やめるわ」
「え?」
俺はそのまま保健室を出た