初恋
「おっ!実咲?良いもん見れるから屋上に来い!小学生の賢人だ!」
「あほか!何言ってんだよ!」
「五分以内に来るな」
「は?」
「翔馬!賢人は?」
えー?早くない?
さすがバレー部エース
「さすが実咲!賢人が恋をしたぞ!」
「え?」
実咲は急に真面目な顔になる
口に手をあててゆっくりと俺の前に座った
「ほん、と?」
「実咲…………」
「ほん、とに?好きになったの?」
実咲の瞳からポロポロと涙が流れていく
翔馬はポンポンと頭を撫でて
「なんで、泣くんだよ…………
実咲に泣かれんの困るんだけど……………」
「………………賢人だ……………」
「え?」
「翔馬!賢人だよ?」
'そうだな'って嬉しそうに翔馬も笑って
また、実咲の頭を撫でた
初めて知った
俺はずっとこの二人を悲しませてたんだ
俺はずっとこの二人に守られてたんだ