初恋
「うるさい」
「え?」
「お前、うるさい
萎えたわ、今日はもういいわ」
「え?賢人?」
俺は小さく'悪かったな'と言って保健室を出た
聞こえてないだろうけど
「ちょっと~賢人~」
女はしつこくまた身体を密着させてくる
さっきの、高瀬の姿が目に浮かぶ
授業中に女とあんなとこに居て
軽蔑されただろうか
「お前、もういいって」
女を引き離して睨み付ける
イライラする
抱けなかったことじゃない
高瀬のあの瞳が
初めて会った時からだ
あの瞳は
俺を拒絶してる